訪日外客数の推移

訪日外客数の推移

(更新日:2026年08月05日) ・ 読了時間:約8

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訪日外国人数は2025年に4,268万人へ達し、過去最高を更新しました。

2026年も上半期だけで2,100万人を超えています。

宿泊業界で働く人や、これから業界を目指す人にとって、この数字は市場の大きさを測る基礎資料になります。

本記事では日本政府観光局(JNTO)が発表する「訪日外客統計」の最新データを正確に整理します。

そのうえで、数字が宿泊業の仕事にどう影響するかまで読み解きます。

訪日外客統計とは|JNTOが毎月発表する訪日外国人数の公式データ

訪日外客統計で分かること(総数・国籍別・月別)

訪日外客統計は、日本政府観光局(JNTO)が毎月発表する公式統計です。

日本を訪れた外国人旅行者の数を、総数・国籍/地域別・月別で確認できます。

集計対象は法務省の出入国データに基づく外国人正規入国者です。

日本に住む永住者などは除かれ、観光やビジネスで訪れた旅行者が中心となります。

公表されているデータは2003年までさかのぼれます。

20年以上の時系列で市場の変化を追える点が、この統計の大きな価値です。

推計値・暫定値・確定値の違いと発表スケジュール

訪日外客統計の数値は、段階的に確定していきます。

毎月の発表時点では推計値として公表されます。その後、暫定値、確定値の順に更新されます。

直近の月の数字を引用する場合は、後日修正される可能性がある点に注意が必要です。

最新データ|2026年上半期の訪日外国人数

月別の訪日外国人数の推移(2026年1月〜6月)

2026年1月から6月までの訪日外国人数は、累計2,108万4,752人でした。月別の推移は次の通りです。

訪日外国人数前年同月比
1月359万7,881人マイナス4.9%
2月346万6,848人プラス6.4%
3月361万9,159人プラス3.5%
4月369万2,364人マイナス5.5%
5月355万9,900人マイナス3.6%
6月314万8,600人マイナス6.8%

毎月310万人から370万人の水準で推移しています。単月で350万人を超える月が4回あり、高水準が続いていることが分かります。

前年同月比で見る伸び率の傾向

上半期の累計は、前年同期の2,151万8,575人と比べて2.0%の減少でした。一見すると市場の縮小に見えます。しかし中身を見ると印象は大きく変わります。

減少の要因は、後述する中国市場の大幅減にほぼ集約されます。中国を除いた訪日外国人数は、前年同期比で約13%の増加となります。市場全体としては、むしろ力強い成長が続いている状態です。総数だけを見て「インバウンドは頭打ち」と判断するのは早計だと言えます。

国・地域別の訪日外国人数ランキングと動向

訪日外国人数が多い国・地域トップ5

2026年上半期の国・地域別ランキングは次の通りです。

順位国・地域2026年上半期前年同期比
1位韓国567万5,061人プラス18.6%
2位台湾397万2,194人プラス20.9%
3位中国205万8,192人マイナス56.4%
4位米国182万1,725人プラス7.1%
5位香港129万8,450人プラス2.2%

上位5市場だけで全体の約7割を占めます。

東アジアと米国が訪日市場の中核であることは、2026年も変わっていません。

大きく伸びている市場(韓国・台湾など)

最も勢いがあるのは韓国と台湾です。

韓国は上半期だけで567万人を超え、前年同期比18.6%増となりました。1月には単月で117万人を記録しています。台湾も20.9%増と、上位市場の中で最も高い伸び率です。

東南アジアの成長も見逃せません。インドネシアは13.0%増、ベトナムは8.7%増と堅調です。フィリピンも5.8%増となっており、リピーター層の拡大がうかがえます。

減少している市場とその背景(中国など)

中国は前年同期比56.4%減と、大幅な減少が続いています。2026年上半期は毎月、前年同月比で45%から60%の減少となりました。かつて訪日市場の最大勢力だった中国は、現在3位まで後退しています。

ここで重要なのは、中国の減少を市場全体の縮小と混同しないことです。前述の通り、中国を除く市場は2桁成長を続けています。特定市場への依存度が下がり、市場構成が多極化しているのが2026年の実像です。

欧米豪・東南アジア市場の動き

米国は182万人で7.1%増と、アジア以外で最大の市場です。豪州も59万人で4.6%増となりました。タイは70万人で3.5%増です。欧米豪と東南アジアは、東アジアほどの規模はないものの、着実に積み上がっています。

これらの市場は滞在日数が長い傾向があるとされます。人数以上に宿泊需要への貢献が大きい市場と考えられます。

過去20年の推移で見る訪日外国人数の変化

2003年からの長期推移とコロナ前(2019年)との比較

年別の訪日外国人数の推移は次の通りです。

訪日外国人数備考
2003年521万1,725人ビジット・ジャパン事業開始
2013年1,036万3,904人初の1,000万人超え
2019年3,188万2,049人コロナ前のピーク
2020年411万5,828人コロナ禍で急減
2023年2,506万6,350人回復期
2024年3,687万148人2019年を超え過去最高
2025年4,268万3,837人2年連続で過去最高

出典 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」

2003年の521万人から、2025年の4,268万人まで、市場は約8倍に拡大しました。コロナ禍の2020年には411万人まで落ち込みましたが、そこからの回復は急速でした。

回復から成長フェーズへ|データが示す転換点

転換点は2024年です。この年に3,687万人となり、2019年のピークを初めて上回りました。2025年はさらに伸び、2019年比で約1.3倍に達しています。

データが示すのは「コロナ前への回復」がすでに完了したという事実です。現在の市場は回復局面ではなく、過去に前例のない成長局面にあります。宿泊業界の人材需要を考えるうえで、この認識は出発点になります。

訪日外客統計から読み解く宿泊業界への影響

インバウンド需要と宿泊業の求人動向の関係

訪日外国人の増加は、宿泊施設の稼働率上昇に直結します。年間4,000万人を超える旅行者の大半が、ホテルや旅館に宿泊するためです。稼働率が上がれば、フロント・客室清掃・レストランなど、あらゆる職種で人手が必要になります。

市場が2019年比1.3倍の規模に拡大した一方、宿泊業界の人材はコロナ禍で大きく流出しました。需要の拡大と人材の不足が同時に起きているのが現在の構図です。働く側から見れば、求人が豊富で選択肢の多い状況が続くと考えられます。

国籍構成の変化で変わる現場のスキルニーズ(語学・接客)

国別データの変化は、現場で求められるスキルに直結します。韓国と台湾で上半期965万人に達する現在、韓国語や中国語(繁体字圏)の対応力は大きな武器になります。米国が4位に定着していることから、英語の需要も引き続き高い水準です。

一方で、特定の言語だけに頼る接客には限界があります。上位5市場だけで4つの言語圏にまたがるためです。翻訳ツールの活用力や、言語に依存しない接客の設計力も評価される時代になっています。語学が完璧でなくても活躍の余地は十分にあります。

繁忙期・閑散期の変化と働き方への影響

2026年上半期の月別データには、もう一つの特徴があります。最少の6月でも314万人、最多の4月でも369万人と、月ごとの差が小さいことです。桜や紅葉の時期に偏っていたかつての需要は、通年型に近づいています。

需要の平準化は、働く人にとって好材料です。閑散期のシフト減に悩まされにくくなり、年間を通じた安定した働き方がしやすくなります。採用側も通年雇用を前提とした求人を出しやすくなります。

訪日外客統計の調べ方・活用方法

一次データの入手先と更新タイミング

訪日外客統計は、日本政府観光局(JNTO)の公式サイトで無料公開されています。「国籍/月別 訪日外客数」のExcelファイルでは、2003年から最新月までの全データを一括で確認できます。毎月中旬頃に前月分の推計値が追加されます。

面接前に志望施設の主要顧客層を調べる、といった使い方も有効です。たとえば韓国からの旅行者が多いエリアの施設なら、韓国語学習の意欲は具体的なアピール材料になります。

データを見るときの注意点

利用時には次の3点に注意が必要です。

・直近月の数値は推計値であり、後日更新される場合があります ・国籍ベースの集計のため、居住地とは一致しない場合があります ・全国の合計値であり、地域ごとの偏りは別の統計での確認が必要です

引用する際は、出典として「日本政府観光局(JNTO)」の明記が求められています。

まとめ|訪日外客統計は宿泊業で働く人の羅針盤

訪日外客統計の最新データが示す事実を整理します。

・2025年は4,268万人で2年連続の過去最高を記録 ・2026年上半期は2,108万人で、中国を除けば前年比約13%増 ・韓国・台湾が2割増と成長を牽引し、市場構成は多極化 ・月別の需要差が縮小し、通年型の市場に変化

インバウンド市場は回復期を終え、成長期に入りました。市場の拡大は、宿泊業界で働く人の雇用機会と待遇改善の追い風になります。毎月更新される訪日外客統計を定点観測すれば、業界の今を数字で把握できます。キャリアを考える判断材料として、活用してみてください。

出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計

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